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第14回 歯ブラシを選ぶポイント

年齢・口内の状態など考慮

質 問
3歳と7歳の息子がいます。
子ども用の歯ブラシを買いに行くと、種類がたくさんあってどのようなものを選べばいいのか分かりません。歯ブラシを選ぶポイントがあれば教えてください。


回 答
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徳島県歯科衛生士会
石井 容子
第14回 歯ブラシを選ぶポイント
年齢・口内の状態など考慮

3歳になると乳歯20本がほぼ生えそろい、乳歯列が完成する時期を迎えます。7歳は、これから一生使う永久歯が生え始め、乳歯と永久歯の混合歯列となる時期です。 3歳のころは、自分で歯を磨く習慣を身に付けることが大切になってきます。そのため、子どもが握りやすく、かみ合わせの溝の部分が磨きやすいものがよいでしょう。歯ブラシには対象年齢などの記載があるので、参考にするとよいでしょう。

また、保護者の仕上げ磨きが不可欠な時期でもあるので、仕上げ磨き用の歯ブラシも必ず用意しましょう。仕上げ磨き用は、狭い口の中でも動かしやすいように、小さいヘッドでネックが細く長いものを選んでください。7歳(小学校低学年)のころは、第一大臼歯(最初に生えてくる永久歯)の虫歯予防が大切な時期です。歯ブラシは乳児用よりネックが長く、かみ合わせ部分に安定して当たるように長方形に近いヘッドのものがよいでしょう。

この機会に、小学校高学年以降の歯ブラシの選び方についても紹介しておきます。小学校高学年は、歯磨きが自立する時期です。歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間などを効率的に磨けるように、低学年用より細くて長いヘッドが適しています。第二大臼歯(永久歯の一番奥の歯)が生えできたら、奥まで磨きやすいように長いネックの歯ブラシを使うと効果的です。思春期は食生活や生活リズムが乱れることも多く、砂糖を含む飲食や就寝前の飲食も増加する時期といえます。この時期は虫歯だけではなく、歯肉炎などの歯周病に対する注意も必要です。

また、成人期は虫歯や歯周病が重度になりやすく、歯を失うことにつながる時期である半面、仕事や子育てなどで多忙な時期でもあり、短時間で効果が期待できる歯磨きが必要になります。このため、思春期から成人期にかけては、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助用具を使うことをお勧めします。老年期になると、唾液の分泌が減少したり、虫歯や歯周病のリスクが増えたりするのに、歯磨きが上手にできない場合もあります。全身疾患などで介護が必要になる人も増加します。自分で歯磨きができない部分は、介護者がサポートすることが必要になります。

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(下から)子供が太く握りやすい幼児用(2本)、小さいヘッドでネックが
細長い仕上げ磨き用、奥まで磨きやすい長いネックの大人用


高齢者の口の中は粘膜が非常に弱くなっているために、軟らかめの歯ブラシでハンドルが太めで持ちやすく、ヘッドの大きい方が安定して磨けます。握力が弱い場合は、歯ブラシの柄を太くして握りやすくします。上手に動かせない場合は、電動歯ブラシを活用するのもいいでしょう。

歯磨きは、社会生活を快適に過ごすための基本的マナーでありますが、虫歯や歯周病を防ぐために、また治療した歯の再発防止に、大切なことです。

歯ブラシを選ぶときは年齢も一つの基準になりますが、口の中の状態や、それまで習慣なども考慮して選びます。それぞれの口の中に合ったものをかかりつけの歯科医師らに相談して選んでもらいましょう。また、定期的に歯科医院で診察してもらい、口の状態を知ることも大切です。